リフォームする際は金庫室を作る予定です

私たち一家は雪深い富山県に住んでおり、冬の時期は寒さに耐えながら春を待つ生活を送っています。この「日本海側」は日本有数の豪雪地域として知られていますが、そこでの生活を実際に知っている人は、あまり多くないのが現状だと両親から聞いています。
これは私たちの住んでいる富山県やお隣の石川県が、人が多くいる東京や大阪のどちらからも来るのに時間が掛かることが原因とのこと。つい先日、北陸新幹線が開業したため、今後は東京からの交通の便は改善していくでしょうが、それでも私たち北陸地方で暮らしている者の実際の生活を知ってもらうには時間が掛かるのではないかと思っています。

さて、私たち家族のことに話を戻しますが、うちの家屋は先にご紹介したような「雪と寒さに耐える生活」を強いられるこの地方で見ても、ちょっと変わった形をしています。私たち一家が住んでいる家は築150年を越えるいわゆる「古民家」といわれる種類のものなのです。
こう書くと、よくこちらの生活を知らない人からは「へぇ、風情があっていいね!」なんて無神経に言われたりするのですが、そこで生活している者としては冗談ではありません。築150年を越えているということは、それだけ家の構造に「ガタ」が来ているということです。隙間風は物凄く入ってきますし、北陸特有の足物からしんしんと冷える寒さも非常に厳しいものがあるのです。

流石にこのままでは家族の健康に関わるレベルですので、父がようやく最近リフォームを決意してくれたのは幸いでしたが、これに祖父が反対して大変でした。何でも祖父曰くは「ご先祖から受け継いだ家屋や金庫を失くすのは許さん」とのことでしたが、父がこれに対して「リフォームする際は金庫室を作る予定です。ご先祖様から伝来のあの大きな金庫は、そこに移しましょう」と折衷案を出してようやく決着。

我が家はこうして、ようやく暖かい自宅へのリフォームに目途が立ったのです。