テンキーボタンが暗証番号のところだけすり減ってきました

我が家の金庫は愛用歴10年以上になる。家族3代で自営業を営んでいるので金庫の使用頻度は普通の一般家庭で使われているものよりも多いと思う。特に変わり映えのしない、白いボックス型の金庫だが、祖父母でも見やすいようにとテンキーが大きめのものを選んだ。帳簿や現金を入れるのにちょうどいいサイズだし、使い勝手はいいしと重宝している。

ところが最近、金庫に使われているテンキーボタンが暗証番号のところだけすり減ってきていることに気づいた。明らかに4つの番号だけが薄くなっているのだ。これじゃあ、空き巣に入られたときに、10000通りの番号を押されてしまったら確実にヒットしてしまうではないか。これではいけないと家族会議を開き、私達夫婦は暗証番号を変えましょうという主張をした。ところがこれに反対したのが夫の祖父母である。もう10年以上も同じ番号で通してきたのだし、今更番号を変えられてしまったら忘れてしまう、特に祖父は最近ボケ気味なので絶対に新しい番号は覚えられないとの主張だった。そんな暗証番号を覚えられない人に店の帳簿を任せて大丈夫なのか、という夫の両親の主張も筋が通っている。だけどさすが昭和初期生まれの頑固ジジイとババアである。暗証番号は絶対に変えない、の一点張りである。だけど空き巣対策はどうするんだ、と義父母が聞くと、祖父母は信じられないことを言い出した。「他の数字も薄くすればいいじゃないか」と。義父が「一体どうやって薄くするんだよ」と聞くと、「薄くなるまで擦ればいい」との祖父の返答が。いやいや、スクラッチじゃないんだから…とツッコみたかったけれど、嫁の立場は弱いものである。結局祖父母が一歩も譲らず、他の数字も擦って薄くするという結論に落ちついた。ところで一体誰がやるんだ、という話になったとき、全員が揃って私の顔を見た。ええーっ!?

嫁の立場は弱いものである。